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【レポート】対話観賞@仁礼小学校:コミュニティスクール✖️アート!

Art in Suzaka ~これもアートなんかやぁ~

子供達の想像力に脱帽|心から楽しませていただいたWSレポート

「コミュニティスクール」と呼ばれる、地域の多様な大人たちと学校が、様々な形でコラボレーションしていく取り組みの一つとして、対話観賞の手法を使った観賞の授業を行わせていただくことに🌱

1月19日(金)、仁礼小学校4年生の図画工作の時間をいただき、対話観賞ワークショップを行いました。

まずは、「色と形と言葉のゲーム」と呼ばれるキットを使ってエクササイズ。
多種多様な色や形を、いろいろな言葉で形容していくゲームです。(大人がやっても楽しく、実は1月の芋煮会にも登場して密かに盛り上がっておりました…)同じ形、同じ言葉であっても、感じ方は人それぞれであること、「意見が違うことは面白い!」ということを体感的に学んでいきます。

©NIPPON DESIGN CENTER
©NIPPON DESIGN CENTER
東京都写真美術館で開発された教材。オンラインでも購入できるので、学校の授業やアイスブレイク等にオススメです!

感性を研ぎ澄ませて、感じたことを言ってみる練習ができた後は、いよいよ「本番」。
不正解は一つもないよ!違う意見にも耳をすませてみよう!との”ルール”を確認して、対話観賞スタートです。今回は、フランスと日本の肖像画3点を選んでみました。

Henri Matisse
©Yoshitomo Nara
Amedeo Modigliani

まずはピカソの友人でありライバルとしても知られる、アンリ・マティスの作品。
「一番最初に気がついたことは?」との問いかけに、何色も使われている肌の色や、厳しい表情、鮮やかな色彩などの意見が。観賞を深めながら、最後の「この人はどんな人?」との問いかけに対しては、「戦時中に家族を亡くした人」「自分のしたことを恥じている囚人」「画家のことを見つめているモデル」など、深い観察から想像を膨らませ、冒頭からエンジン全開の仁礼小最強集団。

続いて、世界的に活躍する日本の現代作家、奈良美智の作品。
「さっきのと全然違う!」という声を皮切りに、「漫画みたい」「悲しそう」「寂しそう」「アマビエみたい」などの初見の後は、またまた仁礼キッズ達の物語ワールドが繰り広げられます。「両親が帰ってこないのでは」「自分だけ死んでしまったけれど、死んだことに気づいていないのでは」「学校に行きたいけど行けない子なのでは」などの意見に、刹那的な少女を多く描く奈良さんに報告したい気持ちになる山際なのでした。

いよいよ最後の作品は、特徴的な人物画で知られ、生前は高く評価をされることなくこの世を去ったアメデオ・モディリアーニ。
2作品を観賞し終え、「次はなんぞや!どんとこい!」という佇まいで待っていた仁礼キッズ達は、「なにこれー!」「ろくろっ首みたい!」「手が変!」と、大騒ぎ。「作家の人は、なんでこんな風に描いたんだろう?」と問いかけると、しばらくの沈黙の後、「貯金が0円になって絶望している風に見せたかった」「病気の人みたいに描いたのかも」「単に絵が下手なのでは」「落ち込んでるのがわかるようにわざとこうしたのでは」など、名推理を繰り広げてくれました。

やっぱり絵画は楽しいなぁと思いださせてくれた仁礼キッズ

素直で想像力豊か、友達の話にもじっと耳を澄ますことの出来る仁礼キッズ達と過ごした、あっという間の2時間。学芸員時代、たくさんの対話観賞ワークショップをしてきましたが、正直一番楽しかったかもしれません。見る楽しみ、言葉にする楽しみ、想像する楽しみ。それらを思い切りやってのける仁礼キッズ達に、大切なことを思い出させていただいた気がしました。

須坂に来てよかったなぁ。しみじみとそう感じさせていただいた時間となりました。
みんなすてきな大人になってね〜

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