地域への感謝の気持ちをお返しできる会がしたい。
1年前、協力隊を卒業した早川さんのこの言葉から”芋煮会”はスタートした。
それから1年、”芋煮会”は”信州芋煮”という名前を引っ提げて地域への還元を続けている。
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須坂市地域おこし協力隊の北です。
この度、信州芋煮会が1周年を迎えるにあたり、このコンセプトなどを皆様に改めて知って頂くためにブログを書きました!
須坂へ来た移住者達
我々、地域おこし協力隊は皆が須坂市への”移住者”。
須坂市で活動をするにあたり、知らないことを教えてもらい、何か道に躓いたときは地域の方が手を差し伸べてくれた。時には厳しく、でもほとんどが甘め(笑)な指導をして頂きそんな地域の皆様へ恩返しをしたい!という1人のOBからこの活動が始まった。
早川航紀という男
この真っすぐな男は、古城荘で身を粉にして働きながら地域おこし協力隊を卒業し、2つの事業を立ち上げ今も軌道に載せるべく活動している。
その活動の中で須坂市の「大谷(おおや)地区」の人々から愛され、地域住民に大切にされてきた須坂温泉古城荘内の”神社の境内”を任せられ、そこを自らの手でキャンプ場にした。
その地の名は
「山の神キャンプ場」
信州芋煮会はここを本拠地として活動している。
最初はドイヒーだった”芋煮”
芋煮会を始めた当初、お客様に提供する”味”が一定せず「闇鍋」と言われるような作り方だったらしい(笑)
それは料理が下手とかいう理由ではなく「地域の皆様から”余剰”になった野菜などを頂いて振る舞いたい」というコンセプトがあったからだ。
しかし、それでは品質も量も安定せず現実的に提供するには”告知する”ほどのものではなかったとも言える。
芋煮会の歴史は闇鍋から始まったのだ。
2人の隊員と芋煮会
その芋煮会を始めての半年は2人の隊員(ムラタ、小田)と試行錯誤をしながら進めていた。暑い日には冷やし中華、焼きとうもろこしなど。形は変えながらも”地域への還元”という思いは変えず、そのコンセプトや想いも守り続けた。
それでもなかなか集客も出来ず、芋煮会は知る人ぞ知る会としてアンダーグラウンドな世界を歩いていたのだ(笑)
その頃からずーーーっと見守ってくれた方には感謝しかありません。
芋煮をちゃんと世に出したい!
そこで私の出番だ。やっとだ(ここから少し主役を張らせてくださいw)
私が2022年8月に地域おこし協力隊として来た時に”芋煮会”がマンネリ化しているように見えてしまったのです。こんなに素敵な会なのに、もったいない!そう思った私はどうにかしっかりと参加者に楽しんでほしかったので、レシピを考えて味を一定にしファンを増やしたいと考えたのです(偉い!)
そこから芋煮の歴史が変わります。
そんなレシピを考える前に身の程知らずで出店した”りょうかい市場”では「信州芋煮」は見事に撃沈。160杯つくり78杯しか売れなかったのだ。
身の程知らずにもほどがある(笑)
めんどくさい指令
この出店後にもう一度芋煮を見直してコンセプトを固めよう!
ということで、早川、北、そしてムラタの3名で会議をすることに。
私は海アリ県の金沢で育ち「昆布」「カツオ」などの海産物の出汁文化で育ってきた。
芋煮のレシピ考案も何の気なしに出汁を使おうとし、これを入れれば間違いないと軽く考えていた私は大きな壁にぶち当たるのです。
その壁の名は
早川航紀
そうまさかの身内だったのです(笑)我らが地域おこし協議会会長。
その指令の中身はこうだ。
「北さん、信州は海が無いんだから信州らしく海のものを使うのはやめましょう。それで美味しくて喜ぶものを考えましょう。化学調味料もダメです。無添加でやりましょう!」
言うは易く行うは難し。
どいや、めんどくっせーぞいや(金沢弁)これが私の本音だった。
実は汗をかいていた!信州芋煮
その後、早川氏含む協力隊の泥臭いレシピ考案が始まった。
毎晩仕事が終わったあとにレシピを考え、試作を繰り返した。
実は当初はジビエ肉を利用していたのも信州芋煮マニアにしか知られていない。作る工程や血抜きがちょっくら面倒で、その割に「ジビエ肉です!」と言っても反応が薄いことから、その後どうしようか悩んでいたのです(これも早川氏のこだわり)
そんな時、地域おこし1年先輩のODA隊員が「今度出す時、こそっと鶏肉にしましょう。たぶん早川さんにはバレませんよ」
いや
バレるだろ(笑)
そう思いながらも小田氏と須坂市の”ふくだや”へ。
相談をしたところお鍋には「信州福味鶏」がいいよ!と言われ、LINEでこそっと報告したところ「いいですね、ふくだやで言われたなら間違いありませんね!」とあっさり早川氏はOKしてしまったのだ。ODA恐るべし。
これであの美味しい福味鶏がメインのお肉になったんです。こそっと。
話を出汁に戻そう。
出汁は”グルタミン酸×イノシン酸”の最強タッグにこだわる私。どうしても昆布が・・・喉から昆布が出るほど入れたかった(不気味)が、グっと堪え、大げさではなく2週間近く芋煮を食べ続けグルタミン酸が多いと言われる野菜などを入れて試行錯誤を続けたのだ。
でもやっぱり昆布やかつおの海産パワーに勝るものにはなかなか出会えず・・・。
見えた1つの道
そこで見えたのが、豊丘地区に住むお姉さま達からのヒント。
ゴールドラッシュ(とうもろこし)の味噌汁おいしいよ!
正直、料理もド素人な私は食べきれないほどのとうもろこしをもらっていたので、消費のつもりで作ることにした。本当に美味しいんかや?
でも、もしそれを芋煮にしたら・・・私はあまりにも適当すぎる思考回路と思い立ったら止めれない短絡的な性格からすぐに実践することに。
すると・・・
めっちゃうまいやんけ!!!
その時に入れた「干ししいたけ」の煮汁も、トウモロコシの糖分がプラスされ、めっちゃおいしくなったのです(語彙力)
めんどくさい指令を乗り越え・・・完売
これをベースに金沢の郷土料理「めった汁」を掛け算し、しょうがを利かせることで新たなレシピが完成した。
その約1か月後・・・
暮らしの健康マルシェで初リリースし、見事に完売することが出来たのです!!
「美味しい!」「2杯目ください!」「何使って作っているんですか!?」など沢山のお声を頂き、13時すぎには完売。
きっとトウモロコシと干しシイタケの戻し汁が効いたのだろう・・・
自分で言うのもなんですが、本当に美味しかったのです。
この完売が無ければ、私はきっと芋煮ノイローゼで芋煮離婚し、芋煮帰省をよぎなくされただろう。
でも、あの頃の頑張りと”めんどくさい指令”があったからこそ、今もこうやって芋煮を皆さんに自信を持って届け続けることが出来ている。とも言える。
本当に地域のことを考え、地域に根付いた考えだからこそ”信州芋煮”は愛されるのである。これぞ真の地域への恩返し。
でも、それは逆に言えば、地域のみなさんが私達にしてくれたお返しの結晶なのです!!!!
なので、少しでも多くの方に芋煮のお返しが出来れば嬉しいのです。
隊員の想いが詰まった1杯を食べに来てください
ただの味噌汁にはしたくない。そんな隊員達の想いが伝わっただろうか。
今、芋煮は口コミでどんどん広がりを生んできている(本当に)
初めて来た参加者も楽しんで帰って頂けているのではないだろうか。
1/21の芋煮会も沢山の新規の来場者様に来て頂いた。もちろん、リピーターも。
今回はもつ芋煮・ソルガムヴィーガン芋煮の2刀流でご提供し、しっかり完売することができ、なんとも言えない幸福に包まれたのです。
地域の全員にマッチした仕組みではないかもしれない。雰囲気が苦手な方も、もしかしたらいるかもしれない。少しずつでもそういった声を拾いながら、これからもずっと永遠に芋煮会は”改善”していきます。
次回は極寒の2/18(土)11:00~。
参加費たったの200円。お代わりも自由(赤字経営)
なんなら余った野菜、お菓子など捨てるならこの芋煮軍団に是非差し入れください!
信州芋煮、ゴミを出来るだけ減らす”環境”にもこだわっているのです。
「マイ容器持参してください」
こういう小さな活動もしっかりゴミを減らしていくのが信州芋煮。地域の為の活動ですから。
そして、大雪や大雨でない限りは中止せず開催します。
そんなわけで、是非とも隊員達の想いが詰まったこの1杯を食べに来てください!!
のーす。
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